ここでの交際期間とは、お相手を一人に絞った後の「結婚を前提とした真剣な交際」です。
共に食事をし、外出し、休日を過ごし、買い物し、おしゃべりに興じる等は、結婚を判断する大切な期間であり、また将来の結婚生活の疑似体験のようなものです。
多くの結婚相談所では、真剣な交際期間の目安は3ヶ月程度とされています。
晩婚に限らず、婚活での真剣交際の期間は、期間を定めず長過ぎたり慎重になり過ぎると、脳は現状維持を優先するようになる為、結婚への意欲が冷めてしまう事が理由です。
3ヶ月前後を一つの目安として、お相手と接する上での着眼点を準備して、真剣な交際期間を意義深い過ごし方にしていきましょう。
私の個人的な例では、現在の妻と結婚を前提として真剣な交際をしている期間、前回の離婚での教訓を踏まえて、3つの段階で整理した記憶があります。
(1)一緒にいて違和感は無いか?
(2)生理的に受け入れられるか?
(3)結婚生活上の価値観は賛同できるか?
第一に、(1)「一緒にいて違和感は無いか?」については、もう少し具体的に言うと、友人であれ恋人であれ夫婦であれ、二人が一緒に時間を過ごす場合に必ず発生する状況を想定してみたのです。
二人が共に時間を過ごす場合に「必ず発生する状況」とは、以下の2点です。
・お話しをする
・食事をする
お話しをしている時、お互いの笑いのツボ、共感できる話題、考え方に賛同できる、相手の話にちゃんと耳を傾けている等々で、違和感があるか無いかを判断します。
食事については、しかるべきマナーで食べているか、自分と食べ物の好みや食習慣は似ているかなど、最低限お互いに不愉快にならない会食ができるかを見極めます。
(2)「生理的に受け入れられるか?」については、感情であり直感、つまり、自分が正直に感じるままですから、最も簡単な判断です。
判断の基準は、あまり論理的でもなく具体的でもありません。
・彼(彼女)といると心地良い。
・共通点と同じく、嫌いなところが少ない。
・雰囲気、声、匂い、肌が触れても違和感が無い。
などなど、理論を超越したところで、好感が持てるかを感じ取れることが大切です。
(3)「結婚生活上の価値観は似ているか?」は、結婚生活が始まった後に重要となるものです。お互いに相思相愛でも、ここでの価値観は、後々の生活に大きく影響してきます。
ここでは、私なりに、前回の離婚の原因となった事を教訓に、キッチリ判断の基準を定めました。
*経済観念:
お金の管理、金銭感覚、貯金などへの考え方、または借金の有無などは、結婚生活を営む上で重要です。お相手のお金の運用に対する考え方を、普段の会話の中で聞いていきましょう。
「お金の事を話題にするのは、ちょっと・・・」と思うかもしれませんが、結婚後にお金のことで「こんなはずではなかった・・・」となる方が最悪です。
その場の雰囲気にも配慮して、お金については必ず話し合っておきましょう。
*仕 事:
お相手の仕事への基本的な考え方を理解しておきましょう。結婚後は、双方が仕事を持つのか、一方が主婦(主夫)となり完全に家庭に入るのかなど、結婚後の青写真が双方納得のできるものにしておきましょう。
*家 事:
家事の分担は、結婚生活上の問題になりがちです。夫は妻のワンオペが当然と思っていて、妻は夫も家事を分担するべきだと思っていれば、いずれ結婚生活に大きな亀裂が生じます。お互いに家事に協力し分担できるか、または、そうでなければ、その理由は何なのかを話し合い妥協点を探りましょう。
*家 庭:
結婚後の家庭を築く上での基本的な「居住地」「住居」「子供の有無」などを話し合いましょう。
居住地と住居については、長期的な資産運用が必要になってきますので、双方の青写真や希望は、話し合っておきましょう。
子供が欲しいのかそうでないのかの問題も重要です。特に、年齢、離婚歴、既に子供がいる等々、お相手のこれまでの人生経験によって様々な考え方があります。
子供が欲しい人と欲しくない人の差は埋まりません。
お互いの考え方をよく聞いて、結婚の判断材料にしましょう。
*育児・教育方針
育児と教育方針が、夫婦で賛同できるものであれば、子供の将来の展望は明るいといえます。大学まで、またはそれ以上の教育を重視しているのか、または高等教育は不要と考えているのかで、子供に投資する費用が大きく異なります。
また、育児は夫婦完全協力に同意できるのか、妻のワンオペに期待しているのかなど、育児に対する考え方をお互いに確認しておきましょう。
さて、いずれも具体的かつ現実的で、ちょっと切り出し難い話題であることは間違いありません。しかし、結婚後に揉めるという最悪のシナリオを避けるためにも、空気を読んだ上で、躊躇(ちゅうちょ)せず話し合いましょう。
私の場合、ちょっと心配だった事の一つが妻の宗教でした。
妻は敬虔なキリスト教徒で、私は無宗教です。結婚前、私はキリスト教徒になる意志は無いと妻に伝えていました。
結婚後6年が経過した現在、宗教問題で揉めたことは全くありません。また、私も、妻が毎週日曜日の朝、教会に行くことに反対した事はありません。
一つだけ問題があったとすれば、妻は子供が生まれた直後に洗礼したかったのです。
しかし、それには、私が待ったをかけました。
子供が物心ついて、キリスト教徒になることを子供が同意したのなら問題はありません。しかし、何もわからないまま、生まれてすぐにキリスト教徒だったというのは、子供に対して、逆に、宗教の自由を認めてない事になると思ったからです。
しかし、妻が子供を連れて、日曜日の朝に教会に行くことには同意しています。
宗教問題は、お互いの信念に寛大になることで克服することができます。
結婚の決断は本人がすべきものですが、交際期間中に、友人や親族にも紹介してみることをおススメします。
お相手を好きなあまり、違和感に鈍感になっていたり、意図的に目をそらしたりすることは誰にでもあります。友人や親族なら、あなたが気付かない客観的な意見やアドバイスをしてくれる可能性があります。
また、結婚相談所に登録している方は、アドバイザーに相談し、客観的な意見を聞いてみましょう。
お互いに、多くの価値観を語り合い理解しても100%完璧ということはありません。
結婚前に、「ここまでお互いに理解を深めたのだから。」と言えるくらいに、密度の濃い交際期間の過ごし方して、結婚するか否かの決断をしましょう。
次回は、プロポーズのタイミングについて述べていきます。
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